高瀑(たかたる)渓谷周辺
気になる道を進もうシリーズ 第一回。橋を渡って右にウインカーを出して高瀑の滝に続く県道142に乗り込む。ちなみに左に向かうと石鎚登山ロープウェイ。渓流沿いの狭い一車線が続く。苔むして濡れている場所があるので慎重にバイクを進める。途中、崩れかけの橋があったので降りてみた。欄干はすでになく錆びた土台が残るのみ。橋桁には流木が引っかかり接地面はひどくえぐられている。橋が歪んでいる理由がよくわかった。
橋を渡りきると対岸にも道があった。そして、しっとりと苔むし緑に覆われた石積み。同じような石積みをこの近くの山中で見たことがある。石鎚山中って想像してた以上に集落があり人が住んでいたのだなぁ。今では想像しにくいけど。そこから進むと、なんと「小松町立 石鎚保育園」の建物があった。
木造の平屋。運動場には木が生い茂り、屋根は苔むしていた。子供達が遊んでいたなんて想像しがたい・・・。しばし見とれる。いつ頃まで子供達がいたんだろうか。
気を取り直してもっと奥へ。諏訪神社へと。神社周辺にも集落の跡。神社自体はキレイで人の手が入っている気配。少し横道にそれると、小さなお寺(?)とお墓があった。墓石はほぼ自然石。名前が読み取れないのも多い。でも、文久2年(1862年)、嘉永2年(1849年)が読み取れた。約150年前か。この山奥でどう暮らしていたんだろう。猟かな。思いを巡らすと不思議な感覚に包まれる。そして、もうちょっと奥に行こうかと梅の木沿いの小道を進んでいると彼女が出たのだ。
ネコ。10mぐらい先、スッと出てきた。毛並みはキレイ。こっちに気づくと道の真ん中にちょこんと座った。動かない。こちらも動けない。なんだか、それ以上は進んではいけない気がして引き返した。最後に振り返るとまだこっちを見つめていた。